わがまま猫男子いりませんか?

教室に戻ると、龍と遥斗君が駆けよって来た。


「今までどこに行ってたの?」


心配そうに眉根を下げた遥斗君。

そんな遥斗君を心配させないように、あたしは笑顔で答えた。


「保健室だよ。蓮先生とお話してきたの」


「一人にしてわりぃ俺も大会近いから……」


「気にしなくていいのに。大会、がんばってね」


「おぅ」


龍と遥斗君は最近、あたしのことを過度に心配する。

もしかしたら、一ノ城さんとのこと、何か勘づいてるのかも。

心配かけたくないから黙ってたのに、心配かけてどうするの。

もっと気を引き締めなきゃ。

あたしは自分に気合いを入れた。

そのときだった。

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