王子様はいじめられっこ?!


恥ずかしさのあまりあたしはその場に座り込んだ。


「可愛い女の子だよ海乃さんは、こんな俺のこと助けてくれる優しい女の子、名前自信持ちなよ」


そういうと肩をポンと叩かれた。


その瞬間、あたしの中のなにかが融けたのか涙が出てきた。

それをみた瀬戸はびっくりして慌ててる様子。


「え、あ。ごめん、ど、どした?」


いまなら、いまならいえる


心奥底に忘れてたこの感じ伝えれる


「大丈夫、あ、たし。そんな風に、やさしく触られたことないし、そんな風に、言ってくれた人も居なかったから...」


だから、


一度でいいから抱きしめて


人の温もり感じさせて



って言えなかった。



でも好きでもないなんでもない男の子に言うのもなんか変か、



そう思い、なんて、と笑って立ち上がろうとした。




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