王子様はいじめられっこ?!
「あ、海乃さん」
放課後になり帰ろうと、玄関に向かうが
携帯を教室に忘れてしまったことに気付いたあたしは
今来た道を引き返し、教室に戻ってきた。
と、同時にこの声だ。
「え?」
あたしは声のする方へ顔を向ける。
そこには3人のかわいらしい女の子が立っていた。
「なに?」
あたしがそっけなくそう声を漏らすと女の子たちはにこにこ笑ってこちらへ近づいてきた。
「海乃優依さんでしょ?天才サボり魔極悪ヤンキーの」
は?なにそれ
なんだかあたしの居ない間に変なあだ名が付けられちゃってるよ。
「って、すごいうわさだよー?なんでも中学の時男とけんかして体中にあざができてるとか、サボる、遅刻なんて常習犯・・・まぁ、これは高校から知るあたしたちでも分かるくらい教室にこないけど、海乃さん」
くすくすと笑ってる。
たぶん、いまのあたしの顔はすごくまぬけな顔なんだと思う。