若葉町物語


病室には誰もいなかったはずのベットのカーテンがしまっていた。


午前中に入ってきたのかもしれない。


ちぃすけはいなかったから、もうプレイルームに行ったのかな。


学校用のカバンをベットにおくと、すぐに車イスを動かした。


プレイルームにはいつもより、子供の数が増えていて、人がたくさんいた。


安田さんは私の姿を見つけると、


「千花ちゃ〜ん」


とちぃすけがいるテーブルを指した。


私は、すいませんを連呼しながら奥へ向かった。


「千花ちゃん、今日は人が多いね」


と。


ちぃすけは人ごとのように言うと、安田さ〜ん、焼きおにぎり作って。と言った。


安田さん、かわいそうに…。


忙しいのにね。


とか思いながらも自分も焼きおにぎりをたのむ。

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