若葉町物語


あの日も転んで、私が歩けないって言ったら、救急車が来て、私を病院へ搬送されて行った。


撮ったレントゲンを見ると、私の骨は見事なくらいポックリ折れていた。


まあ、流れで手術しましょうってなったから当然のごとく入院することが決まった。


もう、慣れたつもりだった。


きっともう大丈夫、って。


大部屋の空きがないから私は個室に運ばれたけど、親がいなくなってから私は隠れて泣いた。


友達の前でも、親の前でも普段は涙を見せない。


どんなに悲しいことがあっても泣きたくなかった。


「もう、誰も困らせたくなかったのになぁ」


私が入院して二日後に手術の日にちが決まった。


手術室に入る時、お母さんの泣き顔が見えた。


胸が締め付けられるような気持ちになった。

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