若葉町物語


今日は5時間授業のため、いつもより早く遊べる♪


そう思うと、車イスをこぐスピードが自然と上がる。


カバンをベットの上において、ちぃすけを探しにプレイルームへ行く。


でも、そこで見たのは、泣きながらちぃすけを抱く安田さんの姿だった。


近くには、ちぃすけのお父さん、お母さんもいて、嬉しそうに笑っていた。


「え…?」


安田さんはちぃすけを抱く腕をゆるめると、顔をあげた。


よかったね。よかったね。ただこの一言を安田さんは繰り返していた。


私はゆっくり2人に近づくと、


「どうしたの?」


と、恐る恐る聞いた。

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