若葉町物語
気がつくと、夕食を運ぶワゴンから流れるメリーさんの羊が遠くから聞こえてきた。
時計に目をやると、5時55分。
もうこんな時間か…。
あれから一度もちぃすけは部屋に戻ってきてない。
きっと、いろんな人に報告をしているのだろう。
「千花」
ふと名前を呼ばれて、ドアのの方を見ると、お母さんが来ていた。
「お母さん…」
お母さんは、ベットに荷物を置いてから、イスを取りに廊下へ出た。
イスをベットの横に置くと、お母さんはかばんから私の着替えを出した。
その衣服を棚にしまい、代わりに汚れた衣服を大きなバックの中にいれた。
「学校はどう?」
「うん、楽しいよ!」
お母さんはそれを聞くと、ほっと息を吐いた。
「そう。楽しくやってるのなら、よかったわ」
「安心して。私は、大丈夫だから」