若葉町物語
どうしたら、ちぃすけが喜ぶのか。
何をあげれば、ちぃすけが喜ぶのか。
そう言えば、私が股体病棟を退院した時は、病棟のみんなからのメッセージが書かれた色紙をもらったなぁ。
あれ、結構感動したなぁ…。
そんなことを考えているといつの間にか寝ちゃってて、気づいたら朝だった。
私は、車イスに乗ると安田さんのもとへ向かった。
「安田さん!ちぃすけが退院する時に何かあげたくて考えたんだけど…、色紙もらえる?」
私がそう言うと、安田さんは、棚の中から、色紙を一枚出して私に渡した。
「安田さん、ありがとう!!」
私は受け取った色紙を落ちないように、両足で挟むと、とある所へ車イスを動かす。
自分の病室を通り過ぎると一つ隣の病室、2011号室へ入った。
「琴ちゃん!!ちょっと、手伝って欲しいことがあるの!!」
琴ちゃんは、高1のお姉さんで、元モデルの子。
安田さんの紹介で知り合ったの。
「千花、どうしたの?」
そう聞かれて、私は、持っていた色紙を琴ちゃんに渡した。