若葉町物語


「ちぃすけがもうすぐ退院するから、そこにみんなで寄せ書きしようと思って…」


「ふ~ん。で、うちは何をすればいいの?」


「裏に、イラストとかポエムとか描いてデコって欲しいの!」


「いいよ~」


「本当!?やったー」


琴ちゃんとか絵が上手いんだけど面倒なことはしない人だから、まさか引き受けてくれるとは思わなかった。


私は琴ちゃんに色紙を渡すと、私は朝ごはんを食べにプレイルームに向かった。


渡した時のちぃすけの反応が楽しみで、にやけちゃったけど、ちぃすけに悟られないように、いつもどうりであることに努めた。


まあ、ちぃすけは朝が苦手だから、いつもおとなしい。


そんな所もかわいんだけどね。


おいしい朝ごはんを食べ終えると、病室(もはや、自分の部屋)に戻り、学校の準備をする。


昼になり、病棟に戻ると、いつものただいまのあいさつ。


ワゴンもう来てるけど、とりあえず、琴ちゃんのいる2011号室に直行。


部屋に入ると、


「千花、できたよ」


と、さっそく見せてくれた。


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