若葉町物語
次に目が覚めた時は、手術の後だった。
いつの間にか大部屋に移されたらしく人の声がした。
自分の体を見ると、左手には点滴、背中には痛み止めにおチューブ、折れた右足は包帯でぐるぐる巻になっていた。
さらには、右足の親指には脈をはかるための装置が取り付けられていた。
周りを見渡してみるとカーテンで閉められていて外からは見られないようになっていた。
右足を触ってみると感覚はなくて、その代わり、中からじんじんくるような痛みが襲った。
しばらくじっとしていると、担当の看護婦らしき人がカーテンを開けて入ってきた。
「起きた?気分はどう?どこがいたいところはある?」
と聞いてきた。
私は首を横に振ると、その看護師は思い出したように、
「私のなまえは阿久根です。お昼の担当になったから、何かあったら、ナースコール押してね」
と言った。
私が頷いたのを見ると、その阿久根さんは行ってしまった。