若葉町物語
「あのね…私、千花ちゃんと会えてよかった」
「私もだよっ!?だって、ちぃすけがここでの初めての友達だもん!」
私がそう言うと、ちぃすけが大人のようで大人じゃない。幼さがどこかに隠れている笑顔を見せてくれた。
「いつもは、私が送り出す方だから、千花ちゃんの今の気持ちがよく分かるよ?」
「…」
「上手く、笑えなくなっちゃうの。嬉しいのに嬉しくない…すごく寂しくなる」
そう言って、私へ顔を向けた。
「私、退院しても千花ちゃんにお手紙出すね」
「うん!ずっと、待ってるから」
私達は約束をした。
叶うかどうかも分からない“約束”を。