若葉町物語
同い年
私は、4015号室で唯一の患者になった。
1人で病室にいるものつまらないから、消灯時間ギリギリになるまで、琴ちゃんがいる4011号室にいた。
「あの部屋で一人とか、無理だよぉ」
私がぶつぶつと文句を言っていると、琴ちゃんがある提案を出してきた。
「そんなに嫌なら、看護師さんに頼んで部屋をこっちに移してもらえばいいじゃん」
…その手があったか!
「言ってくる!」
「ちょっと待って。今は無理でしょうが!」
「あ、そっか…」
がっかりしたまま私は、病室に戻った。
部屋の移転が決まったのは、次の日の昼だった。
それも、看護師のもっちーの方から掛け合ってきたのだ。
「千花ちゃんさ、11号室に移ってくれない?」
ここの人はみな、部屋あの番号を後ろの二桁だけで呼ぶ。
長いからね。
「いいけど…、なんで?」