若葉町物語


「千花ちゃん、11号室に移ったんだってね。」


そう言われて、私はピースサインを出した。


「そーなの!ちぃすけがいなくなって寂しかったから超嬉しい!」


よかったねと言いながら、今日のおやつであるコ〇ラのマーチを手渡してきた。


そして、向い側のベッドの子にも渡した。


「里加ちゃんも11号室に移ってきたんだね」


安田さんがそう言うと、


「はい…」


と意外に低い声が返ってきた。


「千花ちゃんとしゃべった?同い年だから、色々と話が合うんじゃない?」


安田さんの言葉を聞いて、私は思わず、


「え!?同い年!?絶対年上かと思ってた!!」


と叫んでいた。

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