若葉町物語


私がそう言うと、


「千花ちゃんっておもしろいね」


と大爆笑された。


それから私と里佳ちゃんは、見事に意気投合して夕飯の時間になるまで語っていた。


好きな歌手とか好きなブランドとか…。


色々趣味が合うもんだから、すごく楽しかった。


ふと、時計を見てみると、そろそろ夕飯のワゴンが来る時間になっていた。


「里佳ちゃんて、いつも部屋で食べてるの?一緒にプレイルームで食べない?」


1人じゃ寂しいのかなって思っていたから何となく誘ってみた。


きっと、行きたいって言ってくれるって思っていたけれど、返ってきた返事は正反対のものだった。


「うち、人見知り激しいから遠慮しとく」


内心、少しがっかりした。


「そう?じゃあ、私行ってくるね」


部屋で食べるのは、いつも親がいるときだけって決めてるから、私だけで行くことにした。



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