若葉町物語


「…痛い」


隼人くんの表情が少し歪んだ。


い、痛そう…。


「おい、お前等。俺、斎藤歩夢。歩夢って呼んでくれ。お前は?」


歩夢は私を見てそう言ったので、しかたなく自己紹介をすることにした。


「私は、青木千花。同じ中2だからよろしく~」


「はい、次お前」


歩夢が隼人くんの肩をポンと叩いたので、隼人くんもしかたがないという感じで話しだした。


「渡辺隼人。中2。よろしく」


口数少ないな~。


そんなことを思いながら、ずっと本棚の前のいたから、テーブルに移動した。


一番端のテーブルに座ると、2人とも一緒に座ってきた。


…にしても、爽やかと思った隼人くんは意外と口数少ない。


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