若葉町物語


まだ、慣れていないだけかな?


歩夢は…、なんか明るいし、ノリが良くて、一緒にいて楽しい。


仲良くなれそうな気がする。


それは、気のせいじゃなかった。


食事中は、なんだかんだ言って会話が絶えなかった。


というか、私と歩夢がしゃべって、隼人くんが少し反応するだけ。


でも、隼人くんの話す量は増えた。


病院や病棟について説明したり、地元について話したり。


同い年とは、話もあって楽しいな…。


学校にいる気分になる。


「千花ちゃん!」


廊下の方に目をやると、夕食を食べ終わってトレーを返しに来た里佳ちゃんの姿があった。


こっちを見て、手を振っている。


「アイツ、誰?」


隣で歩夢が小さな声で聞いてくる。

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