月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
「…月…?」

水色の髪…メガネ…優しい瞳…白い肌…

伊織だー…私は東雲の背中から降りて、伊織のもとに走って、抱き付いた。

「伊織…っ良かった…!!無事で良かった…!!」

「月…ごめんね、心配かけて…」

人混みの中で抱き付く私達。だけど…

「おい、この女、お前の連れか?」

「…!!」

いつの間にか私達は、5人の男達に囲まれていた。伊織は私を守るように背中にまわす。

「拓真みたいに喧嘩は強くないけど…守るよ、君を」

「伊織…」

雅さん達はまだ来ない…ここにいる守護者は東雲だけー…誰か、助けて…

「放て!!」

ピューン…

「いてぇ!!…石?」

いきなり、野次馬の外から石が飛んできた。野次馬が道を開け、そこには大勢の子供達がパチンコを持っていた。

「屋根上…放て!!」

その声と同時に、屋根の上から多数の石が放たれた。屋根の上にも子供達がいて、その真ん中に人影が現れた。

「原田財閥!!ここは俺達、"月夜隊"の縄張りだ!!ここを荒らせば、俺達が相手してやる!!」
< 27 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop