月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
「…」

そうだよね…私は東雲に助けてくれたから、心細くなかったけど、伊織は違う…たった一人きりでー…

「分かったよ、伊織。私は急かさないから…ゆっくり考えて?」

「うん…ごめんね?月」

「いいよ(笑)私は伊織に合わすから…」

私がそう言うと、伊織は泣きそうな顔をした。くしゃっと目を細める…小さい頃からの伊織の癖だね…

「よしっ!!そうと決まれば、月は葉月さんに言って来いよ!!月詠姫になる気持ちは変わらないんだろ?」

「うん」

「その必要はない」

「「え?」」

ガラッ…

勢い良く襖が開いた。葉月さんを中心に、東雲達が入って来た。

「葉月さん…」

「話は全て聞いていた」

「プライバシー関係ねぇ…」

「皆の者!!」

葉月さんがそう言うと、今まで閉まっていた襖が勢い良く開き、そこに500人くらいの人達がお辞儀をしていた。

「今からこの者が我が国・日ノ本を救う月詠姫となる!!敵が来た時は姫の身代わりとなれ!!姫を絶対死なせるな!!」

ハハー!!
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