月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
「あ、月」

「なに?」

「塩と味噌を買ってきてくれるとありがたいな」

「じゃあ、男子が必要ね〜…雅!!」

「俺かいな!!」

文句を言いながらも、雅は渋々着いてきてくれた。荷物持ち決定だね!!




「うわぁ〜!!賑やかだね!!」

商店街に出た私達。私は思わず声をあげてしまった。桃の花の香りがする。

「今日は宿の市があるんやっけ?」

「宿の市?」

「宿の市って言うのはね、商店街の前の道が二手に別れてて、その一方が東楼宿場って言う場所なの。1ヶ月に一度、宿場で行われる市が"宿の市"っていうわけ」

「へぇ〜…」

そんな会話をしながら、私達は商店街を歩いた。途中、雅が塩と味噌を買いに離れる。

「ここよ」

「呉服屋…姫乃?」

「そう♪私の親友がやってるの!!ちょっと待ってて♪」

そう言うと桜華はお店に入っていった。お店の出入口には桃の花が飾られていた。

「お待たせ♪蘭、この子が月詠姫の月よ」

"蘭"と呼ばれた女性は、桜華と同じくボンッキュッボンッで金色の髪のしていた。

「私は蘭。この呉服屋の店主をしてるわ!!よろしくね♪」

「私は神崎月です!!よろしくお願いします!!」

「で、この子に合う着物を探して欲しいんだけど…いいかしら?」
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