月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
月が遠慮がちに私に言う。私は月を抱き締めた。

「いいのよ…私より貴女の方が似合うもの♪大事に使ってね?」

月の髪にこの簪を指す。思った通り…ハチミツ色の髪にはよく似合う。

「ありがとう…」

「どういたしまして♪外で雅が待ってるから行きましょ!!」

「じゃあ、着替えてくるね!!」

そう言いながら月は小走りで試着室に向かった。その場は、私と蘭だけになる。

「なかなか良い着物じゃないの?あれ」

「まぁね〜…軽く5万斈はするかな」

「5万斈!?」

高いと思ってたけど…そんなに高いとはね…

「でも、タダにしたわ」

「タダ!?」

「桜華の友達だから特別♪今度、紅葉のおしるこ奢ってね♪」

それだけでいいなんて…太っ腹ね。さすが私の親友!!

「着替え終わったよ!!」

「じゃあ、風呂敷に入れるからちょっと待っててね」

「ありがとう、蘭さん」

黄色の風呂敷に着物を入れて、蘭は月に渡した。私達は外に出る。

「遅いっちゅうねん!!」

「ごめんね、雅」

「さぁ、帰りましょう♪」

「「うん/おぅ!!」」


もっとー…

もっとー…この子のこと…

知りたくなった一日だったー…
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