月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
「いいですよ」

「本当ですか?」

「はい!!私も原田さんの事知りたいです!!」

私がそう言うと、原田さんはニッコリ笑う。原田さんは勘定を済ませて、お店を出て行った。

「月姉ちゃん!!」

「あ、空君」

笑顔で手を振って、私に近付く。その後ろにはちーちゃんもいて、ちーちゃんは何故かニヤニヤしていた。

「今の人、だぁれ?」

「原田正也さん。昨日、ぶつかっちゃって…」

「「原田正也!?」」

空君とちーちゃんが顔を見合わせる。目を見開いたまま、空君は私の顔を見た。

「月姉ちゃん!!原田正也に会ったのか!?」

「え?うん…そうだけど…」

「原田正也はね、東楼国三大財閥の一つ・原田財閥の御曹司よ!?」

「でも、原田財閥は悪い噂しかないんだ。あそこにいるお手伝いさん達は、皆奴隷で連れて来られた人達だとか…子供を誘拐しては、自分の部下にしてるとか…とにかく、原田財閥には近付かない方がいいよ!!」

「でも、明日東楼神社で会う約束しちゃったし…」

「月姉ちゃん…警戒心ねぇな」

「右に同じく」

別に悪い人には見えないし、私はあぁ言う礼儀正しい人結構好きだけどなぁ…

「でさ、東楼神社って何処?」

「明日、俺仕事が入っちゃっていけないんだ。ちぃ姉は?」

「私も明日はおじいちゃんの変わりに店番しなきゃいけなくて…」

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