月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
そう言って、部屋を出ていく原田さん。それと同時に、数人の男達が入ってきた。

「…やれ」

「いいんスか?正也さん」

「久々の女だー!!」

男達は私に近付くと、着物をビリビリに破いて脱がせた。

「ダメ…っこの着物は…っ」

「黙ってろ、女!!」

一人の男に口に布を巻かせられる。私は身動きがとれず、どんどん脱がされる。

「…っ!!」

拓真…東雲…誰か、助けて…っ!!




拓真side

パリンッ…

「あちっ…」

「拓真、大丈夫?」

ゆとりの間でくつろいでいたら、茶碗が割れた。なんだ…?嫌な予感がする…

「そう言えば、月がここを出てもう2時間も経つのに…まだ帰って来ないね」

「あぁ、そうだな…」

月のやつ…どうしたんだ…?予感が当たってなければいいが…

「拓兄!!」

「空?どうした?」

「…っ!!月姉ちゃんが…!!原田財閥に…っ」

「「っ!?」」

原田財閥!?何で…っ!!

「月姉ちゃん、今日原田財閥の原田正也に会う約束してて…俺は止めたんだ!!花も一緒に捕まっちゃって…拓兄、俺どうしたら…っ」

許さねぇ…っ

「拓真」

「…東雲」

「行くのか?」

「当たり前だ」

声色からして、東雲も怒ってるみたいだ。なんせ、俺らの姫を拐ったんだからな…

「拓真、俺らも行くで」

「もちろん私も」

「僕も行きます」

「…」

「お前ら…」

いつのまにいたのか、雅達が後ろに立っていた。

「俺も行く!!花を…巻き込んだのは俺だから…っ」

俺達は顔を見合わせて、頷いた。覚悟しやがれ、原田財閥…っ!!
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