月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
月side

「…っ」

何も見えない、喋れない、体が動かない…まさに絶対絶命だった。どうしよう…

「…」

私、足手まといだなぁ…皆に迷惑かけて…全然役に立ててないじゃない。花ちゃんもどうなってるか知らないし…

私、ここで死ぬのかなぁ…いや!!死にたくない!!こんな訳の分からない場所で死んでたまるか!!

「…っ!!」

足を動かしてベッドにつなげられている鎖をなんとか外そうとした。体が痛い…さっきの出来事が頭に浮かぶ。

数人の男達に脱がされて、蹴られたり殴られたり…本当に死ぬかと思った。こんな思いを花ちゃんもしてるのかと思うと、泣けてくる。ただでさえ、声が出ないのに…

「…?」

外が騒がしい…何かあったのかな…なんか、眠くなってきたー…




東雲side

「花火!!」

「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」」

ったく、なんたって敵が多いんだよ!!めんどうくせぇ!!

「おい、拓真!!」

「何だ!!」

「お前、火を操れるよな!!」

「だったら何だよ!!」

今、俺達がいる場所は3階の広場。雅と桜華は2階、空と紫苑・真央は1階で戦っている。

「合体技行くぞ!!」

「はぁ!?意味分かんねぇよ!!」
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