白紙の答案 《TABOO》
生意気な生徒
「はい、ここまで。」
と時計を見て終了の声を掛けた。
集まった答案用紙に目を通すと、一枚だけ白紙が混ざっている。
――まただ
これで3回目…溜息が洩れた。
白紙といっても書いてない訳ではない。
一旦書いた後、消しゴムで消してあるのだ。
鉛筆で擦ると回答が浮かび上がってくる。
犯人は彼だとすぐに見当がついた。
水野亮介…学年1の秀才にしてサッカー部のエース。
長身で端正な顔立ちは女子達の垂涎の的。
涼しげな彼の微笑は、彼がいる私でも見惚れるほどだ。
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