白紙の答案 《TABOO》
母校での教育実習も気づけば明日が最終日。
最初はぎこちなかったものの、次第にクラスの皆とも打ち解けられた。
が、彼だけは例外だった。
まともに会話すらしていない。
でも、妙に気にはなっていた。
何故こんな事をするのか?
単なる子供じみた悪戯なのか?
だとすれば、彼の奇行は正さなくてはならない。
ホームルームを終えた後、声を掛けた。
「あんな悪戯…やめなさい。」
「別に…迷惑かけてねぇし…」
「皆、真剣に勉強してるのよ。」
ふざける彼に語気を荒げた。
が、何か物言いたげにも彼は足早に去っていってしまった。