白紙の答案 《TABOO》
迎えた最終日。
皆からアンケート用紙を回収した。
これは実習初日に私が提案したこと。
最後に私に対する感想を匿名で書いて欲しい、と。
匿名にしたのは本音を書いてほしい為だ。
集めた用紙を読み進めると、褒賞してくれる感想が多く目頭が熱くなる。
が、やはり混ざっていた……白紙の用紙。
――最後までこれか
辟易しつつも鉛筆で擦ってみる。
と、思いもよらない言葉が浮かび上がった。
…ま た 会 い た い…
冗談?
ハッと顔を上げると潤んだ瞳で見つめる彼と目があった。
まさか…
彼が白紙の答案を出し続けたのは…
わざと?
匿名での感想を自分が書いたとわかってもらう為に…
瞬きを忘れ息を呑む。
繋がった目と目。
彼の真剣な眼差しに心が揺らいだ。
気になっていたのは…
答案?
や、惹かれてた?
まさか、年下に?
それに彼は…生徒
でも…一人の男
葛藤の末の答えは……彼との白紙の未来。
許されやしない、こんな恋
だから
今は消しましょう
いつか二人で答えを擦る日まで…
END