【コラボ】忘れられないヒト
翼は小さく頷いて、目の前のコーヒーを一口飲んだ。
それから真っ直ぐ崇文の目を見て、話し始める。


「素直に聞いてもらえないとは、分かってる。」

「はい。」

「でも、一応言っとくからな。」


もどかしい。

そう、思わずふてくされそうになる。



「あのな、ご用がある時に、名刺の連絡先にってのはな、仕事の話しか受け付けませんよって言われたようなもんだぞ。」

「でも、用があればいいんですよね?」

「・・・飲みに誘うのは、用事じゃないからな。」



そんなことは、分かっている。

でも、誘いたいのだから放っておいてくれ。



< 11 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop