【コラボ】忘れられないヒト
だが、崇文の考えは違ったらしい。
本当に好意からの誘いだったようで。


『確かに、相談です。でも、仕事として、お付き合いして欲しくないんです!』

「それは・・・。」


出来ない相談だと、続けたいのに。

気持ちの良いぐらい素直で真っ直ぐな気持ちが、佳乃に刺さる。


『今日初めてお会いしたばっかで、おかしいと思うかもしれませんけど。』


なんとか自分に合わせた会話をしようと、頑張ってくれていて。



『もっと、高村さんの事が知りたいんです!』



電話向こうで頭を下げているのが、想像できそうなぐらいに、真剣な声。

こんな彼の誘いを無下に断ることが出来る人間が居るのなら、断り方を教えて欲しいぐらいだ。

佳乃は思わず、はいと答えてしまっていた。


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