【コラボ】忘れられないヒト
そう、佳乃にとっては仕事の相手なのだから、そういう期待はしてはいけないのだ。
それでも期待せずにはいられなかった。


「そう、ですか・・・。」

「ご期待に添えなくて、すみません。」


ちっとも、謝る気なんてない癖に。


佳乃はきっと、自分の気持ちなどお見通しなのだろう。
一回り以上も下の、子供の気持ちなんて。

悔しかった。

早く、大人になりたい。
酒が飲める、飲めないだけじゃなくて、落ち着いていて、佳乃に頼られるような大人に。


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