【コラボ】忘れられないヒト
“デート”なんて、どれくらいぶりだろう。
すっかりご無沙汰だった気がする。

佳乃は自分の顔が少しだけ熱くなるのを感じた。
崇文は運ばれてきたギネスを受け取ると、ようやく肩の力が抜ける。


「「乾杯。」」


自然とグラスを掲げて、2人はカチンと鳴らす。
そのまま口へと持っていけば、黒ビール独特の苦みと、きめ細かな泡が喉を通り抜ける。



「にがっっ!」



一口飲んで、崇文は苦みに顔をしかめた。

ギネスは、苦い。
苦みが美味しいと言う人もいれば、苦手な人もいるだろう。
崇文は知らずに飲んだようだった。

(な、渚さん、こんなに苦いなんて言わなかったし・・・。)
恥ずかしさで、顔から火が出そうだ。
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