【コラボ】忘れられないヒト
こんな年下の男の子に、翻弄されて泣きそうになるなんて。

崇文はそんな佳乃などお構いなしに、心から嬉しそうに笑う。


「ありがと。」


純粋な笑顔。

手はまだ握られたまま。


至近距離にあった顔が、重なる。


拒もうと思えば拒めたのに、体が動いてくれなかった。


ウイスキーの匂いの吐息が、ゆっくり離れていく。



「俺、ほんとに好きなんだ。」



さっきまで嬉しそうだったのに、今度は急に不安気になる。


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