【コラボ】忘れられないヒト


「関さん。」


もう、名前でなど呼ばない。

呼んでしまったら、また彼を思い出してしまうから。


名字で呼んだからだろうか。

頭を下げたままの崇文から、反応は無い。
心を落ち着ける為に、深呼吸。


「関さん。」


ふてくされているのだろう。

佳乃は緊張していた肩の力を抜いて、崇文の顔をのぞく。
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