光と闇のセカイ
☆序章
◇前兆
荒れた大地
燃え上がる炎
空へと昇っていく黒煙
ざわめく海
天変地異でも起こったような惨状の中で
私は、いた。
何故か私は袴姿で、息を切らして暗闇の中ただひたすら走る。
やがて湖の近くまで辿り着き、私は立ち止まり息を整える。
血が流れる右腕を抑え、ひと息つくのも束の間、
---身体中に、衝撃が走った。
気づいたら、私はもう手遅れで
成す術もなく、倒れる。
『ここまで……、なのか………っ!』
激痛と傷口の熱に堪える中、虚しさや後悔に苛まれる。
『-----!!』
意識が薄れる中、誰かが私の名を叫ぶ。
『----!
-------!!』
その人は私を抱き起こし、必死に私を呼びかける。
その腕は、泣きたくなる程に温かくて。
顔はよく見えないけど、泣いている。
私のために……。
その事実だけで、私の心は暖かい気持ちで満たされた。
先程のドロドロした想いは、もうどこにもない。
この腕の中にいる幸せと
きっと、もう会えないだろうと悟る悲しみ………
そんなやるせない想いを抱え、一筋の涙を流す。
自分の最後の力を振り絞って、愛しいこの人の頬に手を伸ばし、
名前を呼んだ。
-この想いだけは、伝えたい-
『--幸せ、だった……。
愛してる---。』
最後の言葉を言い終えた直後、力を失い、意識を絶った。
『-----!?
------!!』
男は力尽きた私を再び呼びかけ、必死に揺する。
冷たくなる私の身体。
閉じられたまま開かれない、私の瞳。
そう、私は
---命を、絶った。
燃え上がる炎
空へと昇っていく黒煙
ざわめく海
天変地異でも起こったような惨状の中で
私は、いた。
何故か私は袴姿で、息を切らして暗闇の中ただひたすら走る。
やがて湖の近くまで辿り着き、私は立ち止まり息を整える。
血が流れる右腕を抑え、ひと息つくのも束の間、
---身体中に、衝撃が走った。
気づいたら、私はもう手遅れで
成す術もなく、倒れる。
『ここまで……、なのか………っ!』
激痛と傷口の熱に堪える中、虚しさや後悔に苛まれる。
『-----!!』
意識が薄れる中、誰かが私の名を叫ぶ。
『----!
-------!!』
その人は私を抱き起こし、必死に私を呼びかける。
その腕は、泣きたくなる程に温かくて。
顔はよく見えないけど、泣いている。
私のために……。
その事実だけで、私の心は暖かい気持ちで満たされた。
先程のドロドロした想いは、もうどこにもない。
この腕の中にいる幸せと
きっと、もう会えないだろうと悟る悲しみ………
そんなやるせない想いを抱え、一筋の涙を流す。
自分の最後の力を振り絞って、愛しいこの人の頬に手を伸ばし、
名前を呼んだ。
-この想いだけは、伝えたい-
『--幸せ、だった……。
愛してる---。』
最後の言葉を言い終えた直後、力を失い、意識を絶った。
『-----!?
------!!』
男は力尽きた私を再び呼びかけ、必死に揺する。
冷たくなる私の身体。
閉じられたまま開かれない、私の瞳。
そう、私は
---命を、絶った。