光と闇のセカイ
一息ついて、辺りを見回す。


そして……


今自分がいる場所に、思わず目を奪われた。



先程まで私も入っていた、神秘的な蒼さを堪えた湖。


その畔には、白いアイリスの花畑………。



見覚えがある。



「これ………、








夢に出てきた………?」




目の前の光景に信じられなくて、思わず湖に近づいて水面を覗き込む。



清浄で汚れのない綺麗な水面に、自分の顔がはっきりと映し出される。




間違いない……。



ここは、あの夢で見た場所だ………!!



あの夢とは大分雰囲気が違うが……、



同じ場所だと確信した。




不意に頭に夢の映像が浮かぶ。



私と、あの男が………



息絶えた場所…………。




でも……


何で夢の湖が、ここに………?



偶然とは思えなくて、思わず立ちすくんでいると、




「そ………なた………。」



後ろからの声に、現実に引き戻された。


そうだ、
さっきの謝らないと………!!



後ろに振り向いた瞬間………













---時間が、とまったようだった。












「そなたが……
我を助けてくれたのか………

異国の娘よ……。」



目の前には、白い袴と青い羽織を着た、着物の男がこちらを見ていた。




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