イタズラ ~TABOO~
川の流れに沿ってまっすぐ伸びる舗道は、真っ赤な夕陽に染まっていた。
キラキラ光る水面。
遠くで鳴くカラスの声。
オレンジ色の空を横切るヒコウキ雲。
全てはあの頃のままで、優しくて。
お兄ちゃんの背中に顔を埋めた。
「・・・アイツ、私を置いて帰っちゃったんだ」
ぽつりと彼氏の愚痴を言う。
「心配するな、里香の事はお兄ちゃんがずっと守ってやる」
まっすぐ前を見るお兄ちゃんの背中をきつく抱き締めた。