kiss xxx【TABOO】
「なにすんのよっ」

 叫んだ直後、彼の顔が急激に迫り、唇を塞がれる。反射的に押し返そうとしたら、グッと肩を押さえつけられた。

 懐かしい味と感触。

 めまいがした。

 私はこのキスをよく知っている。

 忘れていない。

 ……忘れられない。

「なぁ、俺とやり直さない?」
 低くかすれた彼の問いかけ。

 甘い誘惑。

 忘れようと決めていたのに。

「な? おまえには俺が一番似合ってるんだからさ」

 決めていたはずなのに。
 ぐらりと揺れる。

 半年ぶりのキスはそれだけ刺激的で、甘くて、熱くて。
 私を狂わせそうになる。

 まるで禁断の果実のように。

 触れてはいけない毒。あなたはそんな人だった。
 だから別れを決意したのに。

 キスひとつで引き戻されそうになる。

「まだ、間に合うだろ?」

 彼はそう囁いて、再び私の唇を奪った。


END

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