あの頃のように
(あ……)


沙稀のその瞬間を、彼女の中で直接感じた。


ぎゅっと俺の肩にしがみつく腕。

俺の下で大きく吐息をついて脱力していく沙稀に、深く満たされていた。


ぐったりとベッドに沈み込む沙稀を背後から抱きかかえ、やわらかい肌の感触を確かめながら。

泥に沈むように眠りに落ちた。




2年前、ユカが消えてから。

何人かの女の子と遊んだ。


もちろん体の関係も持った。

ほとんど顔すら思い出せない女の子たちと。

渇いた心を癒すための、数回限りの関係。

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