あの頃のように

2012年11月

2012年11月
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つないだ手をそっとはずして、「家まで送る」と言う潤也さんを何とか断って、手を振って改札を通る。


（家の表札が違う名前だったら変だもんね）


デートはもう何度目になるのかな。

別れ際はいつも、次に会える日のことを考えてる。


（もう９時かぁ）


はじめて夕食をレストランで一緒に食べた。

さすがにおうちに邪魔する勇気はなくて、二人で。


情報を取ることなんて、もうどうでもよかった。

ただ、あの人に会いたくて。それだけだった。


（もう、“ユカ”なんてやめます）


今度こそ言おう。

山下さんに。