あの頃のように
週末を迎えても、俺は悶々として、ユカに連絡できないでいた。

ほとぼりが冷めたら連絡してみよう、なんて思いながら、ああいうことのほとぼりの冷めるタイミングがよくわからなかったんだ。


(そうだ。

何かプレゼントでも買っておこう)


ユカの喜びそうなものを。

そういうのって重要だよな。

しかし――何を買っていけばいいんだろう。


なんて思っていたそのとき。


ガチャ。

玄関の扉が開いて。

東京から戻って、夜遅くまで地元周りをしていた親父が帰ってきた。

かと思ったら、俺を見るなりいきなりガツンと殴った。


「イ……テ」

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