あの頃のように
突然のことに、最初は声も出なかった。


「ちょっ……何すんだよ」


こっぴどく殴られたこめかみを押さえて、倒れこんだソファから何とか起き上がる。


「自分の胸に手を当ててよく考えるんだな」


険しい表情で睨まれて。


「……?」


(何なんだよ)


わけがわからない。


「……ったく、政治家はスキャンダルが命取りなことぐらいわかってるだろう。

ただでさえ政権基盤が弱いときに、おまえは何てことをしてくれたんだ」

「……?」

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