あの頃のように
何とか泣き声にならずにそう言い捨てて、逃げるように病室を飛び出すと。

涙が止まらなくなった。



(会いたいーー)


顔が見たい。声が聞きたい。


でももうそれは叶わない。



あの公園の小さな小屋で。


もうこれで潤也さんには会えないと思うと――

あとでことの真相を知るだろう潤也さんの気持ちを思うと――

涙が止まらなかった。


必死であたしに謝る潤也さんを思い出すたびに、また新たな涙があふれだす。

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