あの頃のように
「……許して……くれる?」



(——!)



突然悟った。


(——沙稀は、最初から贖罪のためにここにいたんだ)


自分が過去にしたことに対して、俺の気が済むまで、付き合ってくれただけ。

——それだけだったんだ。


俺のやることなすことに一切抵抗をしなかったのも。

単にそういうことだったんだ。



2年前と同じように、この2週間もまた俺の一人舞台だったのか——?


思わず肩に置いた手を引っ込める。


< 153 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop