あの頃のように
嬉しかったんじゃないの?

幸せだったんじゃないの?


――意地っ張りな、カッコつけのあたし。


(潤也さんにとってのこの半月は、お返しにすぎない。

2年前を取り戻すため――それだけだもの。

2年ぶりに会ったときの潤也さんの怒りを見たでしょう?)


失うのが怖くて、拒絶されるのが怖くて、最初からそっぽを向いている。



潤也さんは来年から別の事務所に行くらしい。


(もうほとんど接点がなくなってしまうな――)


今の事務所でも滅多に顔を合わせないけれど。


(――あたしは、これでいいの?)

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