あの頃のように
「ごめんなさい。ごめんなさい。

あのときは本当にごめんなさい——」


ただただ、壊れた機械のように繰り返してた。

涙があふれて頬を伝い、すべてを洗い流していく。



(やっと、謝ることができた——)


心から。


(最初からこうすればよかった)


もっと早く、素直に謝ればよかった。


ずっとつっかえていた胸のわだかまりが溶けていく。



「あたしたちは素人だった。

だから……あんな方法しか思い付かなかった。

潤也さんを傷つけたくなかった――でも」

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