あの頃のように
「うれしいよ、その言葉を沙稀の口から聞けて。
でもさ――
てことは、君はあのとき、自分の気持ちより政府の問題を暴く方を取ったってこと?」
「……うん」
潤也さんは、はぁ、とひとつため息をつく。
「……まったく君には驚くね。
親父じゃなくて、沙稀こそ国会議員に向いてるな」
「……そんな、あたしなんて無理よ。
何にも知らないもん」
(沙稀ちゃんのような子が国会議員になるべきだね)
2年前、同じことを山下さんに言われたっけ。
懐かしく思い出す。
「これからも俺は、びくびくしながら生きることになるかもしれないな。
でもさ――
てことは、君はあのとき、自分の気持ちより政府の問題を暴く方を取ったってこと?」
「……うん」
潤也さんは、はぁ、とひとつため息をつく。
「……まったく君には驚くね。
親父じゃなくて、沙稀こそ国会議員に向いてるな」
「……そんな、あたしなんて無理よ。
何にも知らないもん」
(沙稀ちゃんのような子が国会議員になるべきだね)
2年前、同じことを山下さんに言われたっけ。
懐かしく思い出す。
「これからも俺は、びくびくしながら生きることになるかもしれないな。