あの頃のように
もう一度似たようなことがあったら、沙稀はまた同じような決断をするかもしれない」


冗談めかして笑う潤也さん。


「もう。あんまりいじめないでよ」


「……でもその決断をきっと、俺は支持するよ」


手をぎゅっと握って。


「でも――何があっても君を信じてる。


だから、いざというときは容赦なく俺を裏切れ」


「潤也さん……」


(今度似たようなことがあったら――?)


似たようなことなんて、ないだろうけど。

絡んだ指を見つめながら、考えた。

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