あの頃のように
この子にまた会えて、プレゼントも決まるなんて、一石二鳥だ。



すぐに買い物が済んで、バイトまでの時間がだいぶ余った。


「あのさ、今時間ある?」

「……え、あ、はい」

「よかったら一緒にケーキでもどう? おごるよ」


“ケーキ”という単語に、彼女の顔がパッと明るくなった。



 * * *



「えっと……名前、聞いてもいいかな。

俺は前島潤也」

「えっと、ユカです。鈴木ユカ」


誘って入った喫茶店で。

テーブルに頬杖をついて、彼女はにっこり微笑んだ。

そんな風に微笑むと、何だかずいぶん幼く見える。

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