あの頃のように
「いつもっていうか……やっぱり変かな?」


ユカは笑った。


「あたし、ずっとお父さんと二人だったから、基本的に話題が偏ってるかも」

「あぁ、なるほどな」


俺は納得してうなずいた。

お父さんがこういう話がきっと好きなんだな。


「……でも、そもそもどうしてこんな話になったんだっけ。

あぁ、潤也さんの内定の話だった」


ユカは楽しそうにケラケラ笑って手を合わせる。


「……でも、すっごい有名な会社でしょ?

メルスリー証券って、あたしでも名前は知ってるもん。

そんなところから内定もらうなんて、すごい」


目をキラキラさせて熱心にそう言われて、俺は照れ隠しについつい白状してた。


「それが……さ。

< 33 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop