あの頃のように
「まぁ、そうなるね。

稲垣が前島大臣をいいように動かしているといったところなんだろうけど。

――あ、ケータイが鳴ってる。

ごめん、まだ続きがあるんだけど、また電話する」

「あ、はい」


ツー。

電話は唐突に切れた。



はぁ。

またしてもため息が漏れた。


(そんな情報も、沙稀ちゃんのおかげで行き当たったんだよ)


少しは役に立てたらしいことは、素直に喜ぶべきなんだろうと思う。

だけど――

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