TABOO†堕ちていく…~秘密の恋
「すみません、ちょっと煙草を吸ってきます」
立ち上がった尚樹と私の視線が絡み合う。
『来·い·よ』
尚樹の唇が小さく動いた。
「ごめんなさい、智也…
ちょっと、化粧室に行ってくるわね」
レストランを出ると、すぐそばの壁にもたれて尚樹が待っていた。
私達はホテルの中庭の、人目につかない木陰に向かう。
「瑞穂…
久しぶりの再会なんだからそんなに怖い顔するなよ」
「尚樹---知ってたの?
智也と結婚するのが私だってこと」
「知らねぇよ。
俺今一人暮らしだし。
今日だって兄貴の相手の家族と食事するって連れて来られただけで」
スーツ姿の尚樹はスッと私の方に手を伸ばしてきた。